全国の競艇場の平均配当を比較

データ分析

今回は、全国の競艇場における平均配当について調べてみます。皆さんは、競艇の平均配当をどのように計算してますか?平均の計算方法には、データの特徴を表すためのいくつかの種類があります。この記事では、算術平均と調和平均という2つの方法を使って、全国の競艇場の平均配当を比較してみます。

算術平均による平均配当

まずは「算術平均」から見てみましょう。一般的に「平均」と言われると、この算術平均を指します。全国の競艇場データを対象に、すべての式別の平均配当を算術平均で比較しました。集計期間は2011/08/17~2024/05/18までの14年間です。

競艇場名 レース数 3連単 3連複 2連単 2連複 拡連複 単勝 複勝
桐生 29246 7,524 1,246 1,905 946 357 424 232
戸田 29154 7,685 1,308 1,906 961 365 423 230
江戸川 27604 7,408 1,265 1,878 964 367 424 232
平和島 28330 7,959 1,328 2,010 1,000 374 454 241
多摩川 28446 7,538 1,288 1,880 957 366 424 237
浜名湖 30646 7,589 1,278 1,905 953 371 429 225
蒲郡 29357 7,105 1,218 1,800 913 351 400 231
常滑 30792 7,572 1,271 1,917 960 371 412 224
28729 7,073 1,213 1,836 916 366 388 221
三国 28697 7,607 1,278 1,941 943 370 407 219
びわこ 27527 7,620 1,294 1,928 968 374 430 234
住之江 28890 7,302 1,232 1,837 915 352 403 225
尼崎 28408 7,006 1,200 1,779 898 355 398 224
鳴門 23664 7,939 1,331 2,004 1,006 382 431 251
丸亀 29888 7,455 1,258 1,913 950 355 417 230
児島 29658 7,469 1,277 1,892 959 375 396 236
宮島 29301 7,638 1,279 1,923 972 378 410 228
徳山 29230 6,934 1,178 1,785 880 353 377 218
下関 28114 7,273 1,250 1,856 928 363 381 218
若松 29696 7,305 1,255 1,852 922 357 404 224
芦屋 29810 7,652 1,251 1,914 932 362 398 233
福岡 29352 7,077 1,225 1,794 909 365 411 220
唐津 29145 7,618 1,266 1,900 944 361 417 224
大村 29896 6,861 1,191 1,751 879 350 364 235

大村競艇場の2連単の算術平均は 1,751円。3連単は 6,861円と、かなり高くないですか?算術平均は、単純にデータの合計をデータの個数で割ったものなので、極端な「外れ値」があるとその影響を大きく受けます。

例えば3連単を買うとき、数千円の配当と数百万円の配当が同じ頻度で当たると考えるのは、非現実的です。高額配当ほど出現する確率は低いので、払戻金が一定になるように重み付けした調和平均で計算する方が実用的です。

さらに言えば、「合成オッズ」で舟券を買うのが理にかなってるなら、同じ考え方で平均配当を集計しろ、って話。

調和平均による平均配当

次に、「調和平均」を使った平均配当を見てみましょう。調和平均は、数値の逆数の平均を取り、その逆数を計算する方法です。この方法は、極端な値の影響を減らすことができます。

集計期間は同じく、2011/08/17~2024/05/18までの14年間です。

競艇場名 レース数 3連単 3連複 2連単 2連複 拡連複 単勝 複勝
桐生 29246 1,962 549 645 406 230 209 158
戸田 29154 2,534 648 810 484 249 237 166
江戸川 27604 2,381 602 764 447 240 230 160
平和島 28330 2,444 621 777 465 244 233 164
多摩川 28446 2,131 579 696 431 236 217 160
浜名湖 30646 2,011 551 666 417 231 210 155
蒲郡 29357 1,878 528 622 394 224 205 154
常滑 30792 1,841 526 615 392 227 201 153
28729 1,661 507 562 373 222 185 149
三国 28697 1,732 503 583 368 221 193 148
びわこ 27527 1,959 559 639 401 233 209 157
住之江 28890 1,755 515 580 377 222 193 152
尼崎 28408 1,768 521 581 377 223 193 151
鳴門 23664 2,102 576 677 427 235 205 156
丸亀 29888 1,831 519 621 395 224 205 155
児島 29658 1,820 535 610 396 227 190 151
宮島 29301 1,787 539 593 391 229 188 151
徳山 29230 1,539 497 513 355 216 173 147
下関 28114 1,682 507 563 371 222 182 147
若松 29696 1,795 519 595 379 224 199 153
芦屋 29810 1,566 495 522 349 217 180 148
福岡 29352 1,883 522 633 396 225 204 152
唐津 29145 1,741 516 576 371 223 194 152
大村 29896 1,452 477 489 337 213 170 146

大村競艇場の3連単の調和平均は 1,452円です。算術平均の 6,861円と比べると大きく下がってます。

競艇をある程度やったことがある人なら、実際のイメージに近いのは算術平均ではなく、調和平均のデータではないでしょうか?

調和平均は、極端な「外れ値」が含まれるデータ、例えば、収益率やスピードの平均を計算する場合によく使われます。そのため、競艇や競馬の払戻金の集計にも適しています。

データは3連単の最大値は戸田の 2,534円で最小値は大村の 1,452円。考えてた以上に差が出た。競馬と違って競艇は常に6艇だから、どこもたいして変わらんやろうと思ってたのに。全国で一番狭い水面(戸田)と、イン最強水面(大村)の違いが表れたのか?

算術平均と調和平均の違い

算術平均と調和平均の違いを簡単に説明します。

算術平均

「算術平均」は、数値の合計をデータの個数で割ったものです。一般的に「平均」と言われると、この算術平均を指します。

数値が3つ(1, 2, 3)の場合、算術平均は (1 + 2 + 3) / 3 = 2 です。
SQLで書くと、

avg(value)

調和平均

「調和平均」は、数値の逆数の平均の逆数を取ったものです。特に、極端に大きな値や小さな値がある場合に適しています。

数値が3つ(1, 2, 3)の場合、調和平均は 3 / (1/1 + 1/2 + 1/3) = 1.636 です。
SQLで書くと、

count(*) / sum(1 / value)

違いのポイント

  • 算術平均はデータの合計を重視します。
  • 調和平均はデータの逆数を重視し、極端な値の影響を減らします。

最後に。この記事のデータ作成に使用したSQLを有料会員に公開しています。ユーザーがカスタマイズして利用することも可能ですし、SQLを学習したい方の参考にもなります。

なお今回、集計結果は1つのSQLでまとめて出力することも可能ですが、あまりにもSQLが長くなるので式別ごとにファイルを分割しました。この記事の集計結果はそれぞれを表計算ソフトでまとめたものです。

SQLファイルのダウンロードと使い方

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